1975年に創設された「安全農産」は、一貫して都市の消費者と農村の生産者を結びつける活動を行ってきました。食の未来も、本当の意味での安心安全も、消費者と生産者が結びつくことなしには得ることができないと私たちは考えているからです。
すぐに食べられる便利なインスタント食品は、たとえ無添加の安全なものであってもほとんど扱っていません。インスタント食品は生産者と消費者の距離を遠ざけてしまうからです。生産者との距離が近いと感じることのできる食べ物を通じて、食べることについて改めて考えてみませんか。「安全農産」では、身体にも心にも地球にも優しい本物の食べ物だけを扱っています。
安全農産供給センターは、京都市左京区(当時)の市民団体である「使い捨て時代を考える会」の流通部門として、1975年に創設されました。
1970年代の日本は2度のオイルショックに見舞われ、右肩上がりの経済成長にかげりが見え、以下のような問題が積み上がるようになりました。
1. 健康問題 大量生産を前提とした添加物たくさんの食べ物の勃興
2. 環境問題 急速な工業化による環境破壊、原子力発電所の乱立
3. 農政問題 経済構造の変化による農業の衰退、自給率低下
これらの問題に対応すべく、「産直提携運動」として生産者会員と消費者会員とを結びつけ、有機農産物の「共同購入」として事業化するために、安全農産供給センターが設立されたのです。
当時の「生協法」では、京都・滋賀・大阪・奈良にまたがる協同組合は単独では設立が難しく、株式会社として貸倉庫を使い、専従職員によってトラック数台で、生産者会員の鶏卵と野菜の配送をスタートさせました。以後、何度か配送拠点の移転を経て、現在地に会員の出資金により自前の倉庫を建設しました。
- 代表 鈴木 栄(生産者会員・全国愛農会監事)
- 資本金 5600万円
- 設立 1975年5月2日
- 供給会員数 約1200人(2021年)
- 事業高 4億2550万円(2020年決算)
- 職員数 18人(2021年)※パート職員含む
- 主な事業 組合員を対象とした共同購入、産地見学、有機農業の啓蒙
生産者とセンタースタッフとで定期的に畑まわりもしています。
1973年 | 母体となる任意団体「使い捨て時代を考える会」結成(左京区) |
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1975年 | 「安全農産供給センター」設立 会の「共同購入事業」として、宇治市の貸倉庫で野菜や鶏卵の配送を始める。 |
1976年 | 「農業基金」を会が設立。生産者への資金的支援・貸付を始める。 |
1977年 | 「月ヶ瀬実験農場」を奈良県月ヶ瀬村(当時)に農業学習体験場として設立 |
1984年 | 倉庫を現在地に移転 会員からの出資金で宇治市槇島町に土地を取得。自前の倉庫を建設。現在に至るまで配送拠点となる。 |
1995年 | 倉庫隣の土地を取得。倉庫を拡張する。 |
2001年 | 「使い捨て時代を考える会」、特定非営利活動法人格(NPO法人)取得 |
2002年 | 「この指とまれ農場」法人化 前身の月ヶ瀬実験農場から設立25周年を機に法人化して改名。 |
2009年 | 「手つなぎ工房」設立 会が京都府南丹市園部に農産品の加工場を建設。地域の生産者の農産品を使い、漬物などの加工を開始。現在も不定期ながらも千枚漬や柚子胡椒などを出荷。 |
2010年 | 「南丹交流の家」設立 会が「手つなぎ工房」近くに交流施設として古民家を購入。会員交流拠点に。 |
2011年 | 東日本大震災発生 福島第一原発事故後も現地に残らざるを得なかった子供たちの「保養キャンプ」を南丹交流の家で受け入れ開始。以後、毎年夏休みの開催となる。 |
2012年 | 「伊賀交流の家」設立 三重県伊賀市白樫に家屋を取得、会員の産地体験の拠点とする。前述の「この指とまれ農場」もここを拠点とする。 |
2015年 | 「完全地域自給飼料養鶏」(自給卵)実験<設立40周年事業> 「この指とまれ農場」で開始。以来、「自給卵」として会員に予約販売している。 |
2018年 | 米粉製造開始 会生産者の無農薬米を使った米粉の製造に着手。 |
●安全農産供給センター
〒611-0041
京都府宇治市槇島町目川118-7
TEL:0774-22-4634
●使い捨て時代を考える会
〒600-8061
京都府京都市下京区筋屋町141
TEL:075-361-0222
●この指とまれ農場
〒518-1151
三重県伊賀市白樫5165
TEL:090-4119-2461
FAX:0743-92-0592